月刊誌『教育』 2020年11月号

特集1
コロナ禍と教育ーーその危機と希望
特集2

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目次

特集1 コロナ禍と教育ーーその危機と希望

  • コロナが照射する日本の教育課題<佐藤 隆

  • コロナ下での保育の新しい模索<汐見稔幸>>

  • コロナ禍と特別ニーズをもつ子どもの発達支援──保護者・教師調査から髙橋 智、柴田真緒
  • 子どもの「今、ここ」を寿ぐ学校を大江未知
  • 子どもの声を聴きながら歩む北山健太
  • 熊本市でのオンライン授業林 健司
  • つながり、学びあうためのオンライン片岡洋子
  • リアルな「学び/交わり」とオンラインをめぐる一考察菅間正道
  • 課題含みのオンライン授業──教育産業が入り込む高校現場より山田一貴
  • 「一人である」ことと交流・共有と──大学の遠隔授業における試みと発見大日方真史
  • コロナ禍と教育──そこに見えてきたもの寺尾昂浩

特集2 

シリーズ

  • <ちいさな教材・教具たち>子どもが主人公になった発表会(1) 関口穂ノ香

  • <子どもの風景>タガタメ― 子どもたちの自治吉澤 潤

  • <〈ひろば〉COVID-19と子育て・教育>
    • 大学1年生のみたオンライン授業筏 千丸
    • 子どもの願いに応える生活を小橋清澄
  • <毎日がチャレンジ!>心ふるえる子どもとの学校生活遠藤大貴
  • <「学校メガネ」をはずしてみたら?>けんさんの学校しゃべくり漫談⑦コロナ対策はたいへんの巻南山けん
  • <教育情報>コロナ禍の中でフィンランドの基礎学校は藤井みどり、ペトリ・ニエメラ
  • <円窓より──ジェンダーのまなざし>介護を考える井上美惠子
  • <読書と私>コロナの時代と障害者の生きる自由──丸谷才一『笹まくら』を読んで三木裕和
  • <映画>『はちどり』佐藤 博
  • <書評>ライアンダ・リン・ハウプト著、 宇丹貴代実訳『モーツァルトのムクドリ』越水玲衣
  • <図書紹介>
    • 小松左京『【新装版】復活の日』
    • 岡部正隆(監修)福井若恵(コミック)『増補改訂版 コミックQ&A色弱の子どもがわかる本』
    • 住吉雅美『あぶない法哲学― 常識に盾突く思考のレッスン』
  • <私の誌面批評>問いは子どもに宿り、聞き取られる渡辺雅之
  • 教育の言葉中村(新井)清二
  • 『教育』読者の会
  • 研究会・部会のご案内
  • 教科研常任委員会だより
  • 教育月報高津芳則

特集 とびら

【特集1】

資本主義経済の到達点としてのグローバル経済は、地球温暖化とともに未知の感染症を人類社会にもたらすことになった。 そして2020年、新型コロナウイルス感染症拡大(コロナ禍)が、異常気象とともに、世界各地で猛威を振るっている。多くの国々でオーバーシュートが起き、都市ロックダウンがなされた。 日本でも、首相による一方的な全国一斉休校が始まり、非常事態宣言下の休校へと続いた。学年末試験中止、卒業生のみ参加の卒業式、新入生のみ参加の入学式、マスク着用、体温計測、手指消毒、教室消毒、フィジカルディスタンス、接触禁止、おしゃべり禁止。

思えば、それまで子ども・若者が育ちの糧にしてきたものの多くが、封じられ、Societyをめざす「GIGAスクール」構想は進められようとしている。

それにたいし、日本の子ども・若者、保護者・市民、教師たちは、最善をもとめて試行錯誤を重ね、新たな気づきにもとづく新たな取り組みを始めた。 やむなく始めたオンライン授業でのオンラインだからこそのふれあいと限界、自宅学習で味わえた親子の出会い直しと家庭ごとの経済・文化差の大きさ、図らずも合意の広がった少人数学級の必要性とそれをもとめる取り組み、アルバイト減少で学生の2割が退学を言い出す高等教育の高学費と無償化運動。

コロナ禍はまだまだ続き、私たちの取り組みもまだまだ続く。 このことは、グローバル経済社会のあり方の問い直しに行き着かざるをえない。 そして教育も、フィジカルディスタンスでのあり方をさぐり続けるとともに、コロナ後の社会で実現したい本来の姿を見いだそうとするに違いない。

編集後記

  • 8月号で特集2「コロナ一斉休校と子ども・教育」、9月号で特別企画「コロナ感染危機対応と教育」を組んだ。10月号からは「〈ひろば〉COVIDと子育て・教育」を新設した。そして今月号はコロナと子ども・教育について大特集にした。休校から学校再開を経て夏休みに入る時期の保育園、小学校、高校、大学、特別支援教育の現場から実践、調査報告、論文が寄せられた。
  • コロナによってこれまで当たり前だった人と人との心身の交流ができなくなった。教育を成り立たせていた土台にあらためて気づいた。しかし失うだけではなく、新たな気づきや教育方法の模索も始まった。休校中に在校生や来賓ぬきでおこなわれた6年生主役の卒業式には、長い練習時間も来賓の挨拶も不要だった。先進国でも突出している保育園や学校の定数の多さが「密度」を高めている。これを減らすことをようやく行政も目標に掲げてきた。教育条件整備を一気に進めたい。
  • 夏休みが短縮され猛暑のなか、マスクをした子どもたちが登下校している。顔の表情を隠してくれるマスクを外せないでいた中学生を思い出す。日常的にマスク越しにしか顔を見せないことは親しみや信頼を築くことにどんな影響を与えるのだろう。NHKニュースが高知の保育園の様子を伝えていた。マスクで保育者の口元が見えないことが乳幼児の発育に悪影響を与えるのではないかと、口元が見えるフェイスシールドにしたところ、子どもたちの表情が生き生きとし、しっかりと保育者を見つめるようになっていた。感染予防を優先するあまり、子どもの発達が損なわれていないか、注意深く教育実践をつくりなおしていこう。
  • 宮田雅巳、佐藤隆、石本日和子、北川健次、寺尾昂浩が本特集を担当した。

(片岡洋子)